Case Studies

「フラッシュ型教材」で、基礎・基本が定着し、ICTの活用も広がった!

川崎市立有馬小学校では、平成27年1月から『小学校のフラッシュ基礎・基本』を全校で使い始めた。そしてフラッシュ型教材をきっかけに、それまであまりICTを活用していなかった先生方も、日常的に授業でICTを使うようになった­­­­—-。

川崎市立有馬小学校
川崎市北部の丘陵地帯に建つ、市立有馬小学校は、1972(昭和47)年4月1日に創立。周辺には植木農家が点在し、校庭には4階建校舎に並ぶ背丈の桜が何本もそびえ、春には桜が咲き誇る。全校生徒約400名。

〒216-0002
神奈川県川崎市宮前区東有馬5丁目12−1
TEL 044-866-1447

単元のねらいが定着する

 田中啓介先生がフラッシュ型教材と出会ったのは、4年前。都内で開催された『フラッシュ型教材活用セミナー』に参加してすっかり魅了され、会場ですぐに購入して帰ったという。

 「まず、基礎・基本の定着に効くと感じました。繰り返し練習することで、単元のねらいなどがしっかり身につく。最初はわからなくても、みんなに釣られて声を出しているうちに覚えていきます」

 この日取材した3年生算数の授業でも、『小学校のフラッシュ基礎・基本』で、単元のねらいをしっかり浸透させていた。この日は、「二等辺三角形と正三角形」の単元(全10時間)の一時間目。初めて習う二等辺三角形と正三角形の言葉を覚え、その定義を理解するのが今日のねらいだ。

 そこでまず田中先生は、ジョイント棒を使って子どもたちにさまざまな三角形を作らせた。三角形には、「三辺の長さが同じ」「二辺の長さが同じ」「全ての辺の長さが違う」ものがあることを、体感させていた。

 フラッシュ型教材が登場したのは、授業の最後の場面だった。教科書を開いて「二等辺三角形と正三角形」のまとめをみんなで読み上げ、ノートに書き写した後、『小学校のフラッシュ基礎・基本』で学習した。

 「二つの辺の長さが等しい三角形を(   )と言います」と大型テレビに表示されると、子どもたちは元気な声で問題文を読み上げ、「二等辺三角形!」と答えていく。今度は、穴埋めの箇所を変えて出題。「(    )の長さが等しい三角形を二等辺三角形と言います」との問題に、一瞬「ん?」と戸惑った子どもたちだったが、すぐに理解し、みんなで声をそろえて「二つの辺の長さが~」と答えていた。

学習規律の徹底にも効く

作った三角形を実物投影機で発表する子どもたち。できた三角形を、辺の長さに注目して分類させ、特徴をつかませた。

 「今日初めて習った『二等辺三角形』『正三角形』という用語を、フラッシュ型教材で繰り返し声に出すことで、定着させるのがねらいです。定義もしっかり覚えさせるために、穴埋め箇所を変えて出題しました」

 習得させたい事柄を確実に定着させるのにフラッシュ型教材はとても有効で、授業の冒頭に前時の復習をしたり、授業の最後に本時のまとめをしているそうだ。

 「フラッシュを使って、1、2年生で習ったことの復習もよくします。たとえば図形について学ぶ単元なら、2年生で習った図形をフラッシュで復習。『フラッシュ基礎・基本』には全学年の教材が収録されているので、学年を越えた復習をすぐにできるのもありがたいですね」

 さらにフラッシュ型教材は、「学習規律の徹底」にも効くと、田中先生は手応えを感じている。

 「フラッシュマンが練習開始を告げる『3、2、1…』の掛け声が流れると、子どものスイッチが入るのがわかります。全員の顔が上がって指示を聞き、集中力が高まります」

 この日の授業でも、そんなシーンがあった。5時間目ということもあり、やや疲れの見える子どももいたが、「では、授業の最後に…」と田中先生が言っただけで、子どもたちは「フラッシュやるの?!」と、目を輝かせて身を乗り出した。教室の空気が一変し、活気づいたのが見て取れた。

ICT活用の入門としても最適

算数だけでなく、国語や理科など他教科でも『フラッシュ基礎・基本』を活用している。

 子どもだけでなく、フラッシュ型教材は教師にも効くと、田中先生は言う。

 「フラッシュ型教材は、授業でICTを活用する入り口として最適です。ICTが得意でない先生でも、簡単に使えますし、今までの授業計画の中に、スムーズに取り入れられるので、毎日使えます。そして効果をすぐに実感できるので、もっと使いたくなります」

 1年前に田中先生が有馬小学校に異動してきた時、同校のICTの活用や環境整備は、まだ道半ばだった。そこで田中先生は校長先生に提案して、全教室に実物投影機を常設。さらに『フラッシュ基礎・基本』を導入し、チエルが提供している『フラッシュ型教材研修パック』を使って校内研修も実施した。

 「チエルマガジンに載っていたフラッシュの事例も、研修で紹介しました。授業での使い方を伝えるとともに、『フラッシュは授業改善につながる』と説明したのです」

 その結果、1年生から6年生まで、ベテランの先生も若手の先生も、フラッシュ型教材を使い始めた。「いろいろな教科のフラッシュ型教材があるので、選択肢が幅広く、使いやすい」「子どもたちの集中が高まる」と、先生方からも好評。

 「今までICTを授業で使っていなかった先生も、フラッシュ型教材をきっかけとして、積極的にICTの活用に取り組み始めました。ICTの活用は教師の授業力を高め、ひいては子どもの学力向上にもつながる。そう実感したからこそ、毎日使うようになったのだと思います」

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