Case Studies

『CaLabo EX』とLMSで、学生にセルフラーニングの習慣化を促す
―「反転授業」導入に向けて―

2018/11/16

高大

上智大学
言語教育研究センター
デュレンベルジェ・ヴァンサン(Durrenberger Vincent)先生

デュレンベルジェ先生は、一方的な講義型の授業ではなく、 アクティビティやフィードバックの時間を組み込んで、授業に出席する理由を学生に与えたいという考えから、 反転授業(※1)の導入を意識した教材等の制作を進めている。今回は、「フランス語上級」の授業を訪問し、 『CaLabo EX』の活用法や今後の課題などを伺った。

セルフラーニングの習慣化へ

 授業は、10名の少人数制で、学生のセルフラーニングを中心に進められる。冒頭に、デュレンベルジェ先生は、授業全体についての説明をフランス語で行った。

 さらに、この授業の目標については、「セルフラーニングを習慣化し、自分の意見を相手に伝える力を身につけることです」と説明。 その目標を実現させるために、『CaLabo EX』とLMS(Learning Management System=学習管理システム)を組み合わせた授業を推進しているのだ。

 毎回の授業で学生が真っ先に行うことは、あらかじめLMSにアップロードされている動画を視聴すること。デュレンベルジェ先生がダイアログの内容や重要語句、 文法等を説明している10分程度のオリジナル動画だ。

 動画の視聴を終えると、学生はそれぞれLMSのダイアログのリスニングを始める。学生の中には、ディクテーションをする人もいる。 次に『ムービーテレコ』を使ってダイアログのシャドーイングを行う。学生が個々にダイアログ練習を行っている間、先生は机間巡視をし、個別指導を行う。 また、学生の集中力を保つために、『CaLabo EX』のインカム機能を使い、一人ひとりに本日のダイアログについての質問をする。

※1:授業と宿題の役割を反転させ、学生は授業時間外に動画等を視聴して知識習得を済ませ、授業時間内では予習で得た知識を応用して問題を解いたり、ディスカッションをしたりする授業形態。

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『CaLabo EX』のインカム機能で先生から本日のダイアログに関する質問がなされる


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セルフラーニングを進める学生


個人でもペアでも「録音」を重視

 学生はダイアログ練習が終わったら、『ムービーテレコ』を使って録音を開始する。毎回の授業で、本日のダイアログと本日の質問に対する回答を録音する。
さらに、学生は取り組んでいる内容の確認をするため、LMSの小テストを受験する。

 「毎回の授業で必ず録音をするので、学生は『ムービーテレコ』を使いこなしています。『ムービーテレコ』は、思いのままに繰り返し視聴したり、
録音したりできるので、この授業では欠かせないですね」

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『ムービーテレコ』で録音をする学生


 授業の終盤には、隣同士でペアワークを行う。それぞれに練習したダイアログを参考に、ペアでオリジナルのダイアログを作成し、
『CaLabo EX』の会話機能を使って、ペアで録音をする。学生同士で協力し合い、一つの課題に取り組むことの大切さが感じられる。

 最後に、学生は個人とペアで行ったもの両方の録音ファイルをLMSに提出する。授業時間内に満足のいく録音ができなかった学生は、自宅等で録り直してから提出もできる。

反転授業の導入準備は、この秋から

 デュレンベルジェ先生は、学生が個々のレベルに合わせて、個々のペースで目標を達成するために、セルフラーニングの習慣化を促す努力を惜しまない。
事前に教材としてオリジナル動画を用意したり、何度も録音できる機会を設けたりするのも、その一環と言える。

 そして、「前々から反転授業をすることを目標にしていたので、少しずつ教材の準備をしてきました。この秋学期から反転授業を導入する準備が整えられつつあります」とにこやかに語ってくれた。

 なお、授業で使用している教材は、デュレンベルジェ先生が制作している下記のホームページで確認することができるので、ぜひ参考にしていただきたい。
https://www.podcastfrancaisfacile.com/

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インカム機能で個別指導をするデュレンベルジェ先生


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