Case Studies

常駐サポートとの連携で『CaLabo EX』の活用効果が一段と高まった

―東京都/神奈川県―
専修大学

1964年にLL教室が開設されて以来、幾度にもわたって機器更新を行ってきた専修大学の外国語教育。CaLabo導入以前にもCALLシステムは利用してきたものの、オペレーションの複雑さが課題だったという。2014年に導入したチエルのCALLシステム『CaLabo EX』の効果と今後の展望について伺った。

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『CaLabo EX』を導入した経緯

 2014年にチエルの『CaLabo EX』を導入した専修大学。決め手は、直感的に操作できる点をデモンストレーションによって実感できたことと、教員PCとコンソールの両方を一つのマウス・キーボードで操作できるシンプルさ、そして他大学での豊富な実績だという。

 「14年の更新によって、教育システムの一元化を実現し、端末教室には『CaLabo LX』 が、CALL教室には『CaLabo EX』が導入されました。使いやすさから、『CaLabo EX』の利用率が高まり、さまざまな機能に挑戦したいという教員も増えたので、16年度からは、チエルの三木さんに生田キャンパスを中心に週2回程度、サポートに来ていただくことになりました」と、教務課の田代佐貴氏は、経緯を説明する。

 田代氏によると、チエルの常駐サポート導入の最大のメリットは、教員の質問や要望に即時に的確に対応できることであり、教職員の知識・ノウハウが増えたことにより、学内では『CaLabo EX』の導入効果が一気に高まっているという。

授業ではどのように活用されているか

 『CaLabo EX』を使いこなす経済学部の杉本先生は、かつてイギリスで生活した際、実用的な英語力が足りていない日本人を見かけることが多かったという。「英語教員として何をすべきか」を自問自答し、たどり着いたのが、「聞く」「話す」を軽視しがちな英語教育の改革だった。帰国後はLLを用いた音声教育に注力し、蓄積したノウハウは豊富だ。「リスニング力は鍛えれば必ずアップします。カギは語彙力。まず音に慣れることが肝心であり、音声ファイルや動画サイトのURLの配布・受け取りが即座に完了する『CaLabo EX』は、実用的な英語教育に最適で、圧倒的な時間短縮と効率化が実現しています」と、実感を込めて語った。

 デジタルを駆使する一方で、「大切なのは教員と学生の距離感です。学生のそばで指導すべきだと考えれば、教室内を歩いてその学生の近くに行きます。『CaLabo EX』のデジタルの長所と、人対人のアナログの良さを融合させて、理想的な距離感を保つようにしています」と杉本先生。ペアワークでも、日本人特有の「恥ずかしさ」が効果を半減させると考え、ヘッドセットを装着して顔を見ずに対話練習をする機会を多くすることで「学生は話せるんですよ」と笑顔で語る。「ペアワーク機能」によって、学生同士の距離感をも最適なものにできる、ということだ。最近では常駐サポートのある日に、ペアワークに「チャット機能」を組み合わせて使う手順や、『ムービーテレコ』と組み合わせてペアでシャドーイングさせる方法などを質問しながら、さらなる活用を模索している。

 ほかに、杉本先生が『CaLabo EX』で頻繁に使用する機能が、「モニタリング機能」だ。学生に英文や和訳などを打ち込ませる場合、今誰が何を書いているかを随時確認でき、一人ひとりの問題点だけでなく、全体に共通する問題点を把握することができる。「モニターした結果は、その場で本人に知らせ、その場で解決するようにし、必要であればクラス全員にわかるように共有しています。褒められた学生は喜び、ヒントを与えられた学生は追いつこうとがんばります」と語る杉本先生。学生の心理に作用して、モチベーションを高める副次的機能が『CaLabo EX』にあることを実証している。モニターを通しての指摘は、「その他大勢の中の一人」ではなく「自分一人」に対して目が配られているというメッセージだ。やる気も違ってくるであろう。

 「一斉授業では、教員・学生双方が顔を見ながら行う自然の良さがある一方、全員をくまなく見ることができません。個別学習では、一人ひとりの様子を効率的に見ることができるものの、学生は孤立しがちです。『CaLabo EX』の機能を使うことで一斉授業と個別学習両方の良いところを取り入れ、学生のモチベーションを高めることができますね」と杉本先生は語った。

 また、ドイツ語の授業を担当する外国語教育研究室長の寺尾格教授は、「『CaLabo EX』を導入して2年。優れた操作性で教員からは好評です。CALL教室使用率も向上しています」と話す。

 そして「私自身、ドイツ語の授業で使い、『こんな授業がしたかった』と思い描いていたスタイルの授業ができています。昔のVHS教材では頭出しも非常に手間でしたが、『ムービーテレコ』を使えばいとも簡単にできますし、音をヘッドセットで聞かせられるのでとても効果的です」と述べた。

 海外との交流をさらに活発化させる方針を打ち出している専修大学。留学であれ、海外とのテレビ電話であれ、外国語能力は必須だ。「外国語学習は、その言語に適した身体をつくること。新しい口の動かし方は、実は新しい身体感覚をつくり出すことで、語学の入口はスポーツと同じです。目と耳と口、さらには全身との連携の意識を強力に後押ししてくれるのが、『CaLabo EX』です。「CALL=LL=リスニング」という固定観念を打破し、CALLシステムの敷居を下げて、授業での活用機会を増やしていきたいですね」と寺尾教授は目標を語る。

「チエルの三木さんには何でも遠慮なく聞けて、すぐに丁寧に教えてくれるばかりでなく、活用に役立つマニュアルなども作成してくれます。こちらが理解できていないことを捉えて、的確なアンサーをくれるんです。おかげで運用上のストレスはほとんどありません」と、教職員は口をそろえる。

『CaLabo EX』の今後の展望

 専修大学では、さらなる多彩な活用方法を模索中だ。「導入3年目となり常駐サポートも開始したことでさまざまな機能の利用が広がっているため、先生方がお互いの活用法を学べるワークショップの開催を考えています。eラーニングと組み合わせての活用例や、ムービーテレコを自習用ツールとして上手に活用している例なども多くの先生方に知っていただき、授業以外での学生の利用も広げていきたいものです」と田代氏は締めくくった。

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