Case Studies

生徒たちの”今”をとらえるツール

2014/04/01

高大

パソコンのリプレイスに合わせ、2013年4月に『CaLabo LX』を導入し、6月から使用を始めて約8カ月。「現状では不満点が見つからない」と満足度の高い、カトリック系中高一貫校の聖園女学院を訪ね、お話を伺った。

聖園女学院
中学校・高等学校

設立母体「聖心の布教姉妹会」の創立者ヨゼフ・ライネルス師による「一人ひとりにはかけがえのない使命がある。一人ひとりを大切に」という言葉を糧に、互いに響き合い、共に成長する教育を目指す。
〒251-0873 神奈川県藤沢市みその台1-4
TEL 0466-81-3333
FAX 0466-81-4025
http://www.misono.jp/

漢文の授業をPC教室で行うメリット

 PC教室に、中学2年の女子生徒たちが集まった。これから始まるのは、漢文の授業だ。授業の始まりの「ごきげんよう」の挨拶ののち、国語科の内藤先生が「今日は『孔子の教え』というDVDを見てもらいます」と告げて、室内の明かりを消す。前壁に常設のホワイトボードと2つのスクリーン、そして生徒2人に1台設置されている中間モニタに、それぞれ映像が映し出される。

 古代中国が舞台の、少々堅苦しそうな幕開けに戸惑う生徒もいる中で、内藤先生は時折一時停止して用語や人物の解説をしながら映像を進めていく。毅然と理を説いて相手を論破し、また知略を巡らせて無用な戦いを回避する孔子の姿に、生徒たちは徐々に興味を惹かれ、身を乗り出して見入るようになる。「己の欲せざるところ、人に施すこと勿れ」といった論語の一説も、自然と吸収されていくようだ。

 内藤先生は中間モニタを活用するメリットをこう語る。

 「教室で見せるのと、PC教室の中間モニタで見せるのとでは、やはり生徒たちの集中力が違いますね。映像との距離が近いので、自然と入り込みやすくなるんだろうと思います」

『CaLabo LX』前提の教材づくり

 映像は画像転送システム『S300-AV』によって、先生の手元のパソコン画面をそのまま生徒卓の中間モニタに投影している。『S300-AV』は授業支援システム『CaLabo LX』からも制御可能で、すべて手元で操作が完結するスマートさとスムーズさが魅力だと、内藤先生は感じている。せっかくのICT機器群も、煩雑さやエラーなどで授業が止まってしまっては無用の長物だ。

 「今日は映画を見せただけですが、次の時間には、映画の中の登場人物や漢文に関するクイズを行い、さらに論語の訓読文を書き下し文にするなどの課題を生徒に配り、解いてもらう予定です」

 課題はExcelで作成したファイルで、『CaLabo LX』のファイル配布機能で生徒に一斉送信される予定という。そのExcelファイルは、回答を入力すると自動で正解・不正解を表示するよう関数が仕込んであり、生徒一人ひとりが自分のペースで学び進めることができるスグレモノの教材。こうした教材を気軽に扱えるのも、PC教室で授業を行う利点だと内藤先生は語る。

自然発生的に始まったPC教室での先生方の勉強会

 聖園女学院に『CaLabo LX』が導入されたのは昨年の春のこと。PC教室のパソコンをWindows 8 対応のものに入れ替える際、授業支援システムも一新することになったという。なぜ『CaLabo LX』が選ばれたのか、選定に携わった校務部部長の佐藤先生は次のように話す。

 「『CaLabo LX』に触れてみて真っ先に感じたことは、”現場の先生目線で作られている”ということでした。操作性もよく、かゆいところに手が届く仕様で、他社のシステムより利便性の高さにおいて輝いてますね」

 その導入が成功だったことは、放課後のPC教室を見ればわかりますよと佐藤先生。

 「導入して間もなく、自然発生的に先生方の勉強会が始まったんですよ。生徒たちがPC教室を使い終えるのを待って、先生方が自主的に集まり、『CaLabo LX』の活用方法を学び合ったり、新たな教材づくりに励んだりしています」

 情報科の先生という核となる存在はいるが、誰かが先導するのではなく、皆が共に学び合う姿が印象的だと佐藤先生は語る。共に学ぶ。それは聖園女学院の目指す教育そのものだ。

生徒の状況をリアルタイムに把握

 学習内容の定着度をリアルタイムに把握するためにはアナライザ機能が便利だと内藤先生は言う。パワーポイントのスライドで問題を提示し、生徒たちに答えさせる。アナライザ機能で、解答した結果はリアルタイムで集計され、グラフとして表示される。先生にも、生徒たちにも、解答結果が一目瞭然だ。

 内藤先生によれば、教室で発問すると、多くの生徒がそれぞれの考えと答えを持つ。限られた授業時間の中では教師に対して生徒全員が自分の答えを発信することはできない。だが「『CaLabo LX』を使えば、生徒が自分の考えた答えを発信し、またその結果を生徒間で共有することが簡単にできます」と語る。

 佐藤先生も続ける。

 「『CaLabo LX』で余計な手間を省くことができるからこそ、授業時間を効率的に使えます。その分、生徒一人ひとりに目が向けられるのです。また、生徒たちの反応もリアルタイムで得ることができます。『CaLabo LX』はまさに『生徒たちの”今”をとらえるツール』だと思いますね」

 情報科はもちろん、家庭科や宗教科など各教科で幅広く活用されているという『CaLabo LX』。先生方の自主的な勉強会を通じて、多様な活用方法が広がりそうだ。

製品導入の経緯

●PC教室のPCを入れ替えるのと同時に、授業支援システムの一新を検討。

導入後の変化・成果

●授業時間を効率的に使えるので、そこで生まれた余裕を生徒に還元することができた。
●自然発生的に先生方の『CaLabo LX』勉強会が開かれるようになり学び合っている。

課題と今後の展望

●『CaLabo LX』を生徒にも扱わせることで、自己表現力と即時対応能力を高め、AO入試対策にも活用したい。

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