Case Studies

CaLabo®EX+CaLabo®LXでCALL教室の効率運営を実現

―京都府―
同志社大学

語学教育に力を入れる同志社大学は4~5年に一度、認証基盤を始め主要情報システムを一斉リプレースしている。2022年の今回は、従来から活用しているCaLabo®EXとの連動性などを重視してCaLabo®LXを導入。CALL教室の授業支援システムの効率運営を実現した。

CaLabo®EX+CaLabo®LXでCALL教室の効率運営を実現
同志社大学

同志社大学
今出川校地
〒602-8580
京都市上京区今出川通烏丸東入
京田辺校地
〒610-0394
京田辺市多々羅都谷1-3

新島襄により1875年(明治8年)、同志社英学校として設立。日本で最も古い私立の高等教育の学校の一つ。「良心教育」を建学の精神として、「キリスト教主義」「自由主義」「国際主義」を教育理念に掲げている。学部学生数は2万5870人(2022年5月1日現在)。

「アナライザー」機能で学生の学習意欲を把握

 明治期に英学校として誕生した同志社大学は、令和の今も外国語学習に力を入れており、その特色は大きく3つある。習熟度別クラス編成、学習意欲に応じた学習プログラムの提供、そして外国語学習への多様なサポートだ。3番目に関しては今出川と京田辺の両キャンパスに合計13のCALL教室があり、そのほかPC設備を完備した情報教室が23ある。

 CALL教室には2010年に語学4技能学習支援システムCaLabo® EXを導入。14年目を迎えた現在は、先生と学生の双方にとってすっかり定着している。CaLabo® EXは、音声教材・映像教材を使った学習や「モニタ」「インカム」「モデル」「会話」など語学教育で必要とされるさまざまな機能に加え、「ファイルの配布・回収・提出」「リモート操作」「操作ロック」「パソコン電源の一括管理」など教室管理向けの機能も充実している。

 「先生方の間では、制限時間付きの選択式問題を配布し回答をリアルタイムに集計する『アナライザー』や、選択/正誤/入力問題を組み合わせた確認テストを実施して自動採点後に学生にフィードバックする『小テスト』などの機能の評判が良いようです。正解/不正解の学生名を授業中に確認でき、結果をCSVファイルで保存できるので、本学の特徴の習熟度別のクラス編成や学習意欲の把握に便利だからと思われます」(同志社大学 教育支援機構 教務部 情報支援課 情報教育係長の水野高士氏)

インターフェースが圧倒的に見やすい

 同大学では4~5年に一度、認証基盤やネットワークインフラ、サーバ基盤などを一括してリプレースし、学内の情報システムを時代環境に合わせてアップデートしている。2022年はリプレースの年に当たり、数年前から本格的な議論をスタートした。

 同大学は長年、全情報教室で他社の学習支援システムを、CALL教室ではさらにCaLabo® EXも利用していた。CaLabo® EXが教室管理機能を持ち合わせているため、以前よりCALL教室の機能重複が課題だったが、先生や学生が使い慣れている点を考慮し、組み合わせ状態を続けていた。

 今回のリプレースで初めて各システムを統合サーバ基盤上に構築することになり、全情報教室の学習支援システムをチエル社のCaLabo® LXに切り替えた。CaLabo® EXについては高いユーザビリティとサーバレスで機能実現可能な点を高く評価。CALL教室では引き続きCaLabo® EXを活用している。また、同じタイミングでICT運用支援システムのExtraConsole® ICT Managerも採用した。

 同志社大学 教育支援機構 教務部 情報支援課 情報教育係の田口健太氏は「リプレースは2022年9月に完了しましたが、現在まで先生や学生から何のリアクションもありません。これはCaLabo® LXをストレスなく活用いただいている証しであり、サポートの立場の私たちには最大の賞賛です」と笑う。

 CaLabo® LXの特徴は、先生方の声から作ったCaLabo® EXの使いやすいインターフェースを継承していることだ。ドラッグ&ドロップで教材を配布、ワンクリックで先生のPCに画面転送。学習態度が気になる学生のアイコンをクリックするだけで直接指導できる。

 「インターフェースがとにかく圧倒的に見やすいというのが第一印象です。実際の教室のPC配置が画面上に再現されるので、先生方はどの学生のPCに対して操作すべきか直感的に分かります。複数の学生が協働で資料作成などができるグループワーク機能は、皆で同時に学ぶ集合教室のメリットを高めてくれます。ボタンとメッセージ表記を英語やその他複数の言語に切り替えられるので外国人の先生や学生も使いやすいです」(田口氏)

CaLabo®EX+CaLabo®LXでCALL教室の効率運営を実現
CaLabo®EXのアナライザーのコントロール画面(左)と学習者回答画面
制限時間を設定した選択式問題を配布し、回答状況をリアルタイムに集計。正解/不正解の学習者名もその場で確認でき、結果をCSVファイルとして保存できる。

集合学習と個別学習のベストミックスを探る

 この3年間のコロナ禍で大学の授業風景は大きく変わった。同大学には、第2言語を含めると語学系だけで2000超のクラスがある。それ以外の理系専門科目でも、情報教室の活用が急速に浸透した。

 「特にコミュニケーションの手段である語学の授業では、表情や手などの仕草、声の強弱などを学ぶことも非常に重要です。その意味では、先生やほかの学生と同じ空間で学ぶ集合形式のCALL教室の存在意義は今後も大きいと言えるでしょう。一方で、コロナ禍をきっかけに浸透した遠隔授業の流れは一層広がることも予想され、本学でも自分のデバイスを教室に持ち込んで学ぶBYODの学習環境を整えるべきとの考えもあります。4~5年後の次のリプレースを見据え、私たちはすでに調査を始めています」(水野氏)

 CALL教室などの集合学習と、クラウドベースのBYOD型の個別学習にはそれぞれ利点がある。ベストミックスの教育環境の整備を目指す同志社大学の挑戦は続く。

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